水と花山
栗駒山の雪解け水が、迫川の最上流で田に入るまで。
この水が流れる花山で、19代にわたり米を作ってきました。
上流に、民家はない。
奥羽山脈・北上川水系 迫川の最上流。栗駒山の雪解け水は、雑味のない清らかな軟水です。
人の営みが届かない最上流の水を吸い上げ、稲はその身を満たしていきます。
花山という土地
山に囲まれた、小さな里山。
不便さは、あります。
けれど、
米づくりに必要なものは、
昔から、この土地にありました。
19代。
その事実が、覚悟になった。
ある時、祖母から家系図を見せてもらいました。そこには、この土地で生きてきた人たちの名前が連なり、自分が19代目であることを、その時初めて知りました。
19代という数字を知った時、ここまで命と暮らしをつないできた先祖への、感謝の気持ちがこみ上げてきました。
自分の米づくりは、自分一人の努力から始まったものではありません。何代もの人たちがこの土地を耕し、水を守り、暮らしを築き、その積み重ねの先に今の自分があります。
その事実を知った時、この土地で米を作って生きていく覚悟が生まれました。
何代もの人たちが守り、受け継いできたこの土地を、
より良い状態で次へ渡す。
それが、私にとって19代目として生きるということです。
花山屋。
花山で米を作るなかで、ただ米を作り、決められた価格で出荷するだけでは、この土地が持つ本当の価値は伝わらないと感じてきました。
栗駒山の雪解け水。
山や森を抜け、田んぼへ流れ込む水。
花山特有の地形や気候。
そして、19代にわたって積み重ねられてきた時間。
その背景があっても、自分たちが伝えなければ、一袋のお米として市場に流れていってしまいます。だから私は、自分たちが作った米の価値を、自分たちの言葉で伝えたいと思いました。
どんな想いで作り、誰に届け、どんな価値として受け取ってもらうのか。そのすべてを、自分たちで決められるブランドをつくりたい。その想いから、株式会社花山屋を立ち上げました。
米が正しい価値で選ばれ、それによって仕事が生まれ、人が集まり、この土地で暮らし続けられる理由をつくること。それが、本当の意味で地域を守ることだと考えています。
花山屋が届けたいのは、米だけではありません。この土地に流れてきた時間を、一杯のごはんを通して届けたい。
預かったものを、より良い状態で次へ渡す。それが、花山屋を立ち上げた理由です。
代表取締役 佐々木 勝康
The Question
食事の際、あなたの心はどこにあるのだろう。
食卓だけが、まだ「作業」のままだ。画面を見ながら——茶碗の中の白い粒を、ただ飲み込むようになったのはいつからだろうか。その一粒に宿る想い、味、香りを、もう一度。
The Answer
禅はずっと前から、それを知っていた。一杯の粥に向き合うとき、人は世界の中心に還る。
この米を味わうとき、少しだけ立ち止まってほしい。湯気の匂いを嗅ぎ、最初の一口をゆっくり味わってほしい。それだけでいい。
RECLAIM THE CENTER.
米を、生活の中心へ。
無意識の消費から、意志ある選択へ。
ONE GRAIN. NO COMPROMISE.
一粒に、400年分の水と時間が眠る。その一粒を、妥協しないで届ける。